• てんかん発作と治療薬の効果について

    慢性の脳疾患として知らえているものにてんかんがあります。そのメカニズムは、通常、大脳の神経細胞は規則性を持った電気信号によってお互いに連絡をしあいバランスを保っていますが、何らかの原因でこれが崩れてしまった場合にはてんかんの症状を現すことになります。
    てんかんには脳に何らかの障害や傷があることで起こる症候性てんかんと呼ばれるものと、検査をしても異常が見つからない原因不明の突発性てんかんがあります。てんかんの発作には脳全体からくる意識が最初からなくなる全般的なものと、脳の、ある部分から始まる部分的なものがあり、症状としては、まず、全般的なものでは全身の硬直や痙攣、自動症と呼ばれる舌舐めずりや揉み手、また、点頭発作となる頭部前屈や両手を振り上げるといった形、他に、全身の力が瞬時に抜けてしまい崩れるように倒れることがあります。部分的なものとしては発作がおきるものの意識が保たれている症状が多く、この場合でも全身の痙攣などの症状を現す場合もあります。
    てんかんの治療には抗てんかん剤が使用されますが、タイプとしては興奮を抑える効果があるものと興奮の広がりを抑える抑制系とがあり、最近では、これまでと違った作用をし過剰な興奮を抑え、抑制系を強める抗てんかん剤が使用されることもあります。
    興奮を抑えるタイプは、神経細胞はナトリウムイオンやカルシウムイオンが細胞の膜を通過して細胞内に入ることで興奮を起こすことから、これらのイオンの働きを抑えることにより過剰な興奮が起こらないようにしています。抑制系に関しては、脳の中にはギャバと呼ばれる興奮を抑える働きを持つ物質がありますが、抑制系ではこのギャバの働きを強め、てんかんの症状を抑える効果を発揮します。現在では、抗てんかん剤を使用することにより発作の70~80%はコントロールをすることが可能となっており、日常生活を送ることができるようになっています。

  • てんかん発作で注意しなければいけないこと

    てんかん発作には、脳の全体に異常な興奮が起きる場合と、部分的に興奮する場合があります。前者は全身が痙攣したり脱力したりすると同時に意識を失いますが、多くの場合発作は数分で治まります。子供に多い欠神発作では、意識は失わず、しばらくボンヤリするだけなので、てんかんとは分からないこともあります。後者は体の一部分だけが痙攣したり、感覚を失ったりします。ただし痙攣が全身に広がったり、意識障害を起こす場合もあります。
    てんかん発作を起こした人は、意識がなかったり脱力したりしていますから、周囲の人の介助が必要になります。まずは倒れてケガをしないように注意し、危険物を遠ざけることが大切です。意識が朦朧として意味不明な行動をしているときでも、無理やり押さえつけたり、大声で注意を促したり、背中を叩いたりしてはいけません。意識が回復するまで、黙って見守ることが基本です。痙攣が激しく呼吸困難な場合は、顎を持ち上げて気道を確保します。ベルトや胸元を緩めるとともに、嘔吐物で窒息しないよう、寝かせるときは首を横向けにします。ただし物を噛ませるのは窒息の危険があるため良くありません。てんかんは発作が治まっても、数分間は意識のはっきりしない状態が続きます。この間は物を上手く飲み込めないので、薬などを与えてはいけません。
    意識が充分回復しないうちに次の発作が起きたときや、発作が長く続いて治まらないときは、すぐに医師の診察を受ける必要があります。てんかんは自分では症状を把握しにくいので、周囲の人が発作の状態や継続時間、原因と考えられる状況などを記録しておくことも大切です。それによって治療の指針が得られる可能性があります。